産後ケアへの情熱とこれまでの歩み
初めまして、坂口聡です。
私は柔道整復師として、これまでに3万人以上の多くの患者さんのリハビリをしてきました。
なぜ、私が産後ケア専門サロンを立ち上げたお話しようと思います。
産後ケアへの情熱の始まり
私が産後ケアに真剣に取り組むようになったきっかけは、一人の産後ママとの出会いでした。
彼女は、不妊治療の末にやっと授かった待望の赤ちゃんを抱きしめるため、当院を訪れたのです。
しかし、出産後から続く腰の痛みが次第に強まり、ついには赤ちゃんを抱っこすることすらできない状態になってしまいました。
「赤ちゃんが泣いているのに、抱っこしてあげられないんです」と、彼女は涙ながらに話してくれました。
毎晩、赤ちゃんの泣き声を聞くたびに、「ごめんね」と心の中で何度も謝りながら、
ただパパに抱かれているのを見守るしかない辛さ。
赤ちゃんをあやしたいという気持ちと、体の痛みとの間で葛藤し、
自分を責める彼女の姿は本当に痛々しく、私の胸に深く突き刺さりました。
「このままでは彼女も赤ちゃんも苦しいだけだ。何とかしてあげたい」と強く思いましたが、
当時は産後の施術経験が少なく、自信もまだ足りない状況でした。
出産後2週間という時期の施術には初めて挑戦することになるため、リスクを正直に伝えました。
それでも彼女は「少しでも変われば…」と希望を見せてくれたので、
私はできる限りのケアを提供することを決意しました。
施術を進める中で、彼女が言った言葉が特に心に残りました。
「このままじゃ、赤ちゃんを抱っこできる貴重な時間が過ぎてしまう…」と。
赤ちゃんがこの小さな体でいられる期間はほんのわずかな時間です。
今しか感じられない重さ、温かさ、柔らかさを心ゆくまで味わいたいのに、それができない苦しさ。
母親としての喜びを感じる間もなく、痛みと無力感に押しつぶされそうになっている彼女の気持ちを思うと、
私も胸が締め付けられる思いでした。
「赤ちゃんがこの腕の中にいる時間は、本当にあっという間に過ぎてしまいます。
今、たくさん抱っこしてあげたいのに、できないまま時間がどんどん過ぎてしまうのが怖いんです」と、
彼女は涙を浮かべて言いました。
産後の疲労やホルモンの変化、そして身体的な痛みが、彼女の心にまで影響を及ぼしていることが手に取るように分かりました。
その後、徐々に彼女は痛みが軽減し、少しずつ赤ちゃんを抱っこできる時間が増えていきました。
抱っこして来院されたとの、彼女の顔に広がった安堵と喜びの笑顔は、今でも忘れません。
赤ちゃんを抱っこできるその瞬間が、母親にとってどれだけ大切でかけがえのないものか。
この経験がなければ、今の私の産後ケアは存在しなかったかもしれません。
変化する産後ケアのニーズ
この10年間で、産後ケアのニーズは大きく変化しました。
かつては、腰痛や恥骨の痛みといった明確な身体的な痛みに対するケアが中心でしたが、
現在では「体型を元に戻して産前の服を着たい」「産前の体重に戻して職場復帰を果たしたい」
といった美容面やライフスタイルに関する悩みが増えてきています。
現代のお母さんたちは、母親になってもスタイルを保ちたい、
体型に縛られることなく好きな洋服を選びたいという強い思いを持っています。
さらに、産後の職場復帰が当たり前となり、コロナ禍を経て働き方の多様性が急速に進化しました。
これにより、昔の「当たり前」が大きく変わり、今では個々の状況に合わせた柔軟な対応が求められるようになっています。
そんな社会の変化を背景に、私はお母さんたちの多様なニーズに応えたいという強い気持ちを持っています。
とはいえ、産後の体は一人ひとり異なり、産後1ヶ月の体と産後3ヶ月の体では必要なケアが異なるのはもちろん、
その時々のメンタルの状態も違います。
だからこそ、私が提供するケアは、一人ひとりに寄り添った、オーダーメイドのケアであるべきだと考えています。
さらに、産後のお母さんたちの中には
「産前のように動ける体を取り戻したい」「疲れにくく、育児をもっと楽しめる体になりたい」
といった悩みを抱える方も多くいます。
ですが、骨盤矯正やEMS(電気治療)だけで「はい、また来週来てください」では、正直十分とは言えません。
それぞれの悩みに応じた、具体的で効果的な産後ケアを提供することが、今求められているのです。
情報過多の時代における信頼できる産後ケア
現代は、インターネットやSNSを通じて簡単に情報を手に入れることができますが、
それらの情報が本当に自分に合っているのかは、誰しもが不安に感じるものです。
特に産後ケアに関しては、YouTubeやInstagramに溢れる情報の中で、
自分にとって何が必要なのかを見極めることが難しく、最終的には自己判断に頼らざるを得ない状況が多く見受けられます。
私は、そんな情報に迷い悩むママたちに、信頼できるケアを提供したいと強く感じています。
産後のケアを正しく行うことで、産後特有の痛みの軽減や産後ダイエットの成功はもちろん、
心身の健康を取り戻すことができます。
ただし、育児に追われる中で自己ケアを続けるのは簡単なことではなく、
多くのママが途中でモチベーションを失ってしまうのが現実です。
単に運動を続ければ良いというわけではなく、産後に特化した運動が必要です。
それこそが、途中で挫折することなく、確実に結果を出すためのポイントです。
そして、そのプロセスで一緒に寄り添ってくれる専門家の存在が不可欠です。
いくら有名なトレーニングジムに通っても、産後の体に合ったケアがなければ、努力が無駄になってしまうかもしれません。
だからこそ、私はただのフィットネスではなく、産後のママたちが抱える育児のストレスや、
お子さんの発育に対する不安など、家族以外にはなかなか話せない悩みを解消できる場を提供したいと考えています。
時には、育児から少し離れて、自分自身を見つめ直す時間も必要です。
そのためのサポートを、私は心から提供していきたいと思っています。
産後ケアに必要な知識と技術を追求する理由
産後ケアは、単に「骨盤矯正」を行うだけではありません。
骨盤矯正はその一部に過ぎず、本質的な産後ケアとは、
産前の身体機能、特に筋力を取り戻し、正しく使えるようにすることです。
私はこれまでの経験と学びをすべてこの産後ケアに注ぎ込んできました。
柔道整復師としての資格を持ち、医療とスポーツの専門学校で教員を務める中で培った解剖学の知識や、
産後の骨盤に負担をかけずに整える技術は、私が提供するケアの基盤です。
また、産後の体に特化したエクササイズを通じて、
最短かつ最速で効果が出るプログラムを開発し、多くの女性が安心して育児に専念できるようサポートしています。
産後の体型を元に戻すためには、筋力トレーニングが欠かせません。
しかし、育児に追われるママたちが、短時間で効率的にトレーニングを続けられる方法を提案することで、
無理なく実践できるよう工夫しています。
また、母乳育児を続けるためには、極端な食事制限を避けるべきです。
そのため、健康的でバランスの取れた食生活をサポートすることにも力を入れ、
産後のママたちが自分の体と向き合いながら、心地よく育児に取り組める環境を提供しています。
私が追求する産後ケアは、女性たちが自分の体と心を大切にしながら、
健やかに育児を楽しめるようになることを目指しています。
これからも、一人でも多くの女性が笑顔で育児に向き合えるよう、知識と技術を磨き続けていきたいと考えています。
最後に…私の信念
私は子供がいないため、育児経験はありません。
しかし、それは私にとって強みであると感じています。
育児の現場で直面するさまざまな問題や悩みを、第三者の立場から冷静に捉え、
フラットな視点で適切なアドバイスができるからです。
もし私が育児経験を持っていたとしたら、
どうしても自分の経験に引きずられがちになり、バイアスがかかるかもしれません。
しかし、今の私は純粋にママたちの声を聞き、その思いに寄り添い、共感することができます。
育児をしていないからこそ、ママたちが抱える不安や悩みに対して偏りなくアドバイスを提供できるのです。
私の目標は、産後ケアを通じて、一人でも多くのママたちが心身ともに健康で、
幸せな育児ライフを送れるようサポートすることです。
産後ケアは単なる体のケアではなく、家族全体の幸福に寄与する大切な役割を持っています。
そのために、これからも新しい知識や技術を学び続け、常に最善のケアを提供していきたいと考えています。
私は、子供がいないからこそ、
ママたちにとって「ちゃんと話を聞いてくれる」と感じてもらえる存在でありたいと思っています。
バイアスのないフラットな視点で、ママたちの気持ちに寄り添いながら、
産後ケアを通じて皆さんの育児をサポートしていくことを、これからも大切にしていきます。