目次
1:安産体操とは?
- 1-1:安産体操の定義と目的
- 1-2:一般的なマタニティエクササイズとの違い
2:安産体操がもたらす効果
- 2-1:筋力維持で分娩姿勢が安定
- 2-2:股関節・脊柱の柔軟性向上
- 2-3:血流促進とむくみ・冷え改善
- 2-4:メンタル安定とホルモンバランス調整
3:安産体操はいつから始めるべき?
- 3-1:妊娠初期の注意点
- 3-2:妊娠中期からの本格的な取り組み
- 3-3:妊娠後期の実践ポイント
4:安産体操の基本姿勢と呼吸法
- 4-1:骨盤ゆらし体操
- 4-2:四つ這いストレッチ(キャット&カウ)
- 4-3:開脚前屈ストレッチ
- 4-4:腹式呼吸の基本
5:自宅でできる安産体操メニュー
- 5-1:初心者向け(軽めのストレッチ)
- 5-2:中期以降向け(下半身強化・柔軟性アップ)
- 5-3:臨月向け(分娩姿勢準備と呼吸)
6:安全に行うための注意点
- 6-1:フォームの重要性
- 6-2:中止すべき症状と医師に相談すべきケース
7:安産体操と骨盤ケアの違い
- 7-1:安産体操が得意とする領域
- 7-2:骨盤ケアの役割と相乗効果
8:まとめと実践のポイント
- 8-1:妊娠期ごとの実践スケジュール
- 8-2:日常生活に安産体操を取り入れるコツ
- 8-3:出産後につなげる運動習慣
「出産は体力勝負」とよく言われます。
しかし、いざその時を迎えてみると…
想像以上に長時間の陣痛や
体勢の維持が必要となり
「こんなに体力が必要だったなんて…」
と驚く妊婦さんは少なくありません。

妊娠中はお腹が大きくなるにつれ
歩く時間や運動量が減り
筋力や柔軟性が落ちやすい時期です。
特に股関節や腰回りの可動域が狭くなると
分娩時の体勢がきつくなり
いきむ力も十分に発揮できません。
その結果、分娩時間が長引き
ママの骨盤や筋肉に大きな負担がかかり
赤ちゃんにも影響が及ぶ可能性があります。

そんな妊娠期の体を、出産に向けて
少しずつ整えていくのが「安産体操」です。
ただのストレッチや軽い運動とは違い
安産体操は分娩に必要な筋肉と柔軟性を
妊娠中の体に合わせ安全に鍛えるプログラムです。
この記事では
医学的根拠と多くの妊婦さんの実例をもとに
「安産体操」完全版をお届けします。
これから出産を迎えるあなたが
「やっておいて良かった」
と思える準備を一緒に始めましょう。
1:安産体操とは?
安産体操とは、妊娠中の女性が
出産をスムーズに迎えるために行う
筋力維持・柔軟性確保・呼吸法習得
を目的とした運動です。

一般的なマタニティフィットネスとは異なり
出産に直結する部位
(骨盤底筋・臀筋群・股関節まわり・背筋など)
に焦点を当てます。
1-1:安産体操の定義と目的
- 筋力維持
分娩時の「いきむ」動作には
下半身と体幹の筋力が不可欠。 - 柔軟性向上
股関節・脊柱の可動域を保ち
分娩時の体勢を取りやすくする。 - 血流促進
下半身のむくみや冷えを予防し
子宮や胎盤への血流を良好に保つ。 - メンタル安定
運動による自律神経の安定化で
不安や緊張を和らげる。
💬 あるあるエピソード
妊娠後期、椅子から立ち上がるだけで
「よっこらしょ」と声が出るようになった…
でも、安産体操を続けていた友人は
臨月でも階段をスムーズに上がっていた。
1-2:一般的なマタニティエクササイズとの違い
- マタニティエクササイズは全身の健康維持が目的
- 安産体操は出産に必要な動きと
筋力をピンポイントで鍛える - より股関節・骨盤周りの筋肉や可動域に特化
- 呼吸法と連動したエクササイズを重視

📌 ポイント
安産体操は「体型キープ」よりも
「出産当日に使える体づくり」が主眼です。
2:安産体操がもたらす効果
安産体操は、単に
「体を動かす」以上のメリットがあります。
ここでは、妊娠中に取り組むことで
得られる主な効果を医学的根拠と
実際の妊婦さんの体験を交えて解説します。
2-1:筋力維持で分娩姿勢が安定
出産時、陣痛の間に何度も体勢を変えたり
長時間同じ姿勢を維持したりすることがあります。
特に、スクワット姿勢や四つ這い、横向きなどは
下半身の筋力と体幹の安定性が欠かせません。
- 鍛えるべき筋肉
臀筋群(大臀筋・中臀筋)、骨盤底筋
太ももの前後の筋肉
(大腿四頭筋・ハムストリングス)、腹横筋 - 理由
これらの筋肉は、骨盤の位置を安定させ
いきむ時の力を正しく
赤ちゃんに伝える役割を果たします。
💬 共感エピソード
「陣痛中、助産師さんに
『もう少し足を開いて』と言われても
筋力がなくてガクガク…
でも安産体操をやっていた友達は
最後まで姿勢を
保っていたそうで羨ましかったです。」

📌 実践ポイント
- 椅子に浅く座って膝を開き
骨盤を前後にゆっくり動かす(10回×2セット) - 週3〜4回、1回10分程度から始める
2-2:股関節・脊柱の柔軟性向上
分娩時には、赤ちゃんが
骨盤の中を通りやすくするため
股関節と脊柱の柔軟性が非常に重要です。
可動域が狭いと、赤ちゃんの回旋や
下降がスムーズにいかず
分娩が長引く原因になります。
- 柔軟性が必要な理由
骨盤の開き・背骨のしなりが
スムーズになることで
赤ちゃんが産道を進みやすくなる。 - 対象部位
股関節周囲筋(内転筋・外旋筋群)、腰椎周辺筋
💬 共感エピソード
「臨月の検診で助産師さんに
『股関節が柔らかいとお産が楽になるよ』
と言われ
もっと早くストレッチしておけば
よかったと後悔…」

📌 実践ポイント
- 開脚前屈ストレッチ(呼吸を止めずに10〜20秒)
- 四つ這いになり
背中を丸める→反らす(キャット&カウ)を5回
2-3:血流促進とむくみ・冷え改善
妊娠中は子宮が大きくなり
下半身の血流やリンパの流れが
滞りやすくなります。
これがむくみや冷え、こむら返りの原因となり
夜眠れないほどつらい方もいます。
- 安産体操の効果
ふくらはぎや太ももの筋肉を動かすことで
ポンプ作用が働き
血液やリンパの流れを改善。 - メリット
むくみが減ると足取りが軽くなり
日常生活の動きが楽になる。
💬 共感エピソード
「夕方になると足が
パンパンで靴下の跡がくっきり…
安産体操を続けたら
夜の重だるさがなくなりました。」

📌 実践ポイント
- 足首回し(左右10回ずつ)
- つま先立ち→かかと落とし(10回×2セット)
2-4:メンタル安定とホルモンバランス調整
運動は、脳内でセロトニンや
エンドルフィンといった
「幸せホルモン」の分泌を促します。
これは、妊娠中の不安や緊張を和らげ
睡眠の質を高める効果があります。
- 自律神経への影響
安産体操によるゆったりとした
呼吸やストレッチは
副交感神経を優位にし
リラックス状態を作る。 - 出産に向けた効果
落ち着いた心は
陣痛の痛みの感じ方にも影響する。

💬 共感エピソード
「夜眠れず不安ばかりだったけれど
寝る前の安産体操で心が落ち着き
朝まで眠れる日が増えました。」
📌 実践ポイント
- 深呼吸をしながら行うストレッチ
- 音楽やアロマを併用して
よりリラックス効果を高める
3:安産体操はいつから始めるべき?
安産体操は
「早ければ早いほど良い」
というわけではありません。
妊娠の時期によって
体調やリスクが変わるため
安全に取り入れるタイミングを
見極めることが大切です。
3-1:妊娠初期の注意点(〜15週)
妊娠初期は、胎盤がまだ完成していないため
体への負担が大きい運動は控えるべき時期です。
この時期の安産体操は「整える」ことが目的で
筋力アップよりも姿勢改善や
軽いストレッチが中心となります。
- できること
呼吸法の練習、軽い股関節ストレッチ
肩・首回りのほぐし - 避けること
ジャンプ、強いひねり、腹圧を高める運動

💬 あるあるエピソード
「妊娠初期に安産体操を始めたけれど
やりすぎてお腹が張ってしまい怖くなった」
→ この時期は“準備運動期間”と考えてOK。
📌 ポイント
- 運動は医師の許可を得てから開始
- 体調の変化(つわり、立ちくらみ)に
合わせて中止・再開を判断
3-2:妊娠中期からの本格的な取り組み(16〜27週)
妊娠中期は胎盤が完成し
体調も安定してくる時期。
この時期こそ安産体操を
本格的に始めるゴールデンタイムです。
- 目的
筋力の維持・強化、股関節や脊柱の柔軟性向上 - おすすめエクササイズ
骨盤ゆらし、四つ這いストレッチ
開脚前屈、スクワット(軽め)
💬 あるあるエピソード
「中期から始めた安産体操で体力がつ
買い物や外出も楽になった」
「腰痛が出にくくなったのは
この時期からの運動のおかげかも」

📌 ポイント
- 週3〜5回、1日15〜20分程度
- 呼吸を止めないように意識
- 水分補給をこまめに
3-3:妊娠後期の実践ポイント(28週〜臨月)
お腹が大きくなり、動きにくくなる妊娠後期。
それでも安産体操を継続することで
分娩に必要な筋力・柔軟性を保てます。
- 目的
分娩姿勢の安定、呼吸法の習得
骨盤周囲筋の維持 - おすすめエクササイズ
四つ這いのキャット&カウ、軽いスクワット
股関節回し、横向きストレッチ

💬 あるあるエピソード
「臨月でも体が軽く感じられ
出産まで買い物や散歩が続けられた」
「助産師さんに
『骨盤の動きがスムーズ』と褒められた」
📌 ポイント
- お腹の張りや腰痛が強い日は休む
- 破水や出血があった場合はすぐ中止
- 家族と一緒に行うと安全性UP
4:安産体操の基本姿勢と呼吸法
安産体操は、正しい姿勢と
呼吸法を組み合わせることで効果が最大化します。
フォームが崩れると
筋肉に負担がかからないだけでなく
腰痛やお腹の張りの原因になることも…
ここでは、妊婦さんが自宅で
安全に行える基本姿勢と呼吸法を紹介します。
4-1:骨盤ゆらし体操
目的
骨盤周囲の筋肉を柔らかくし
股関節の可動域を広げる。
やり方
- 椅子に浅く座り
足を肩幅よりやや広めに開く。 - 背筋を伸ばし、骨盤を前後にゆっくり動かす(前傾→後傾)。
- 慣れてきたら左右にも動かしてみる。

📌ポイント
- 呼吸は止めず、動きに合わせて自然に行う
- お腹に力を入れすぎず、骨盤の動きに意識を集中
- 1日2〜3分からスタート
⚠️注意点
- 腰痛が強い日は動きを小さくする
- お腹の張りを感じたらすぐ中止
4-2:四つ這いストレッチ(キャット&カウ)
目的
脊柱の柔軟性を高め、腰痛や肩こりを予防。
やり方
- 四つ這いの姿勢になり
肩の下に手、腰の下に膝を置く。 - 息を吐きながら背中を丸め
頭を下げる(キャット)。 - 息を吸いながら背中を反らし
視線をやや上に向ける(カウ)。
📌ポイント
- 腰だけでなく背骨全体を動かす意識
- 呼吸と動きを連動させる
- 5〜10回を目安に行う
⚠️注意点
- 反らしすぎると腰に負担がかかるため
動きはやさしく - 手首や膝が痛い場合はタオルを敷く
4-3:開脚前屈ストレッチ
目的
股関節内転筋とハムストリングスを柔らかくし
分娩時の足の開きをスムーズにする。
やり方
- 床に座り、両足を無理のない範囲で開く。
- 息を吐きながら
背筋を伸ばしたまま前に倒す。 - そのまま10〜20秒キープ。

📌ポイント
- 背中を丸めず、骨盤から前に倒すイメージ
- 痛みではなく
「心地よい伸び」を感じる範囲で行う
⚠️注意点
- 息を止めない
- 股関節や腰に鋭い痛みを感じたら中止
4-4:腹式呼吸の基本
目的
出産時の呼吸コントロールを身につけ
リラックス効果を高める。
やり方
- 楽な姿勢で座り、片手をお腹に置く。
- 鼻から息を吸い、お腹をゆっくり膨らませる。
- 口からゆっくり息を吐き、お腹をへこませる。

📌ポイント
- 肩は上げず、胸ではなくお腹を使って呼吸
- 吐く時間を吸う時間より長く
(吸う:3秒、吐く:6秒)
⚠️注意点
- めまいを感じたらすぐ中止
- 背筋は伸ばし、猫背にならないようにする
5:自宅でできる安産体操メニュー
安産体操は、特別な器具や広いスペースが
なくても、自宅で安全に取り組めます。
ここでは、妊娠期や体調に合わせて
3段階に分けたメニューを紹介します。
5-1:初心者向け(軽めのストレッチ)
- 対象
妊娠初期〜体力が落ちている方 - 目的
血流促進、姿勢改善、軽い柔軟性アップ
- 足首回し(各10回)
- 椅子に座り、片足を軽く持ち上げて
足首をゆっくり回す。 - ポンプ作用でむくみ予防。
- 椅子に座り、片足を軽く持ち上げて
- 骨盤前後ゆらし(10回×2セット)
- 椅子に浅く座り
骨盤を前傾・後傾にゆっくり動かす。
- 椅子に浅く座り
- 首・肩回し(前後5回ずつ)
- 血流改善で肩こり予防。
💡 ポイント
- 1日10分程度、テレビを見ながらでもOK
- お腹が張ったら中止
5-2:中期以降向け(下半身強化・柔軟性アップ)
- 対象
妊娠中期〜後期(体調安定期) - 目的
分娩姿勢維持、股関節柔軟性向上、筋力維持
- サイドレッグリフト(左右10回ずつ)
- 横向きに寝て、上の足を
ゆっくり持ち上げる。 - 中臀筋を鍛えて骨盤の安定性UP。
- 横向きに寝て、上の足を
- 開脚前屈(10〜20秒)
- 背筋を伸ばしながら骨盤から前に倒す。
- 背筋を伸ばしながら骨盤から前に倒す。
- キャット&カウ(5回)
- 四つ這いで背骨全体を丸める・反らす。
💡 ポイント
- 週3〜5回、1日15分程度
- 呼吸と動きを合わせることが重要
5-3:臨月向け(分娩姿勢準備と呼吸)
- 対象
妊娠36週以降 - 目的
骨盤底筋の柔軟性、分娩時の呼吸習得
- 四つ這い骨盤回し(左右10回)
- 骨盤を大きくゆっくり回す。
- 骨盤を大きくゆっくり回す。
- スクワット(5回程度)
- 手を椅子に添えて安全に行う。
- 臀筋・太もも強化でいきむ力UP。
- 手を椅子に添えて安全に行う。
- 腹式呼吸(3分間)
- 鼻から吸ってお腹を膨らませ
口から長く吐く。
- 鼻から吸ってお腹を膨らませ
💡 ポイント
- 無理に回数を増やさない
- 張りや痛みがあれば即中止
6:安全に行うための注意点
安産体操は基本的に安全な運動ですが
妊娠中は体調や胎児の状態によって
リスクが高まることがあります。
以下のポイントを押さえて
安全に取り組みましょう。

6-1:避けるべき動き
- ジャンプや急な方向転換
→ 衝撃が子宮や関節に負担をかけ
切迫早産のリスクが上がる。 - お腹を強く圧迫する姿勢(うつ伏せなど)
→ 胎児や子宮への圧迫を避けるため。 - 腹圧を過度に高める動作
(重い物を持ち上げる、強いねじり)
→ 腹直筋離開や骨盤底筋への負担につながる。
6-2:中止すべき症状
運動中に以下の症状が出た場合は
すぐに中止し安静にしてください。
必要に応じて医師に相談しましょう。

- 下腹部の強い張りや痛み
- 出血や破水
- めまいや息切れ
- 動悸や胸の圧迫感
- 胎動が急に減った、または全く感じない
💡 覚えておきたいこと
「少しでもおかしい」と感じたら
その日は休む勇気を持つこと。
無理をして続けても、安産どころか
逆効果になる場合があります。
6-3:安全に続けるための工夫
- 医師・助産師に相談してから始める
→ 特に既往症や
切迫早産の経験がある方は必須。 - 水分補給をこまめに
→ 妊娠中は脱水になりやすく
血液循環や胎盤機能に影響するため。 - 動きはゆっくり・なめらかに
→ 関節や靭帯が緩みやすい妊娠期は
急な動きで捻挫や痛みのリスクあり。 - 室温と服装に注意
→ 冷えや熱中症を防ぐため
適温で薄手の重ね着がベスト。
7:まとめと実践のすすめ
安産体操は、妊娠中の体を整え
分娩をスムーズにするための大切な準備です。
筋力・柔軟性・呼吸法の3つを
バランスよく取り入れることで
母体と赤ちゃんの両方に
良い影響をもたらします。
今回ご紹介した内容のポイントを振り返ります。

- 妊娠時期に合わせた安全な開始時期を選ぶ
- 骨盤周囲の筋肉、股関節
脊柱の柔軟性を高める動きを中心に行う - 正しいフォームと呼吸法で効果を最大化する
- 無理をせず、体調の変化に敏感になる
- 家族や医療者と連携しながら継続する
💬 読者の声(あるある)
「妊娠中は動かない方が
安全だと思っていたけど
正しい体操は出産のための“体力貯金”に
なると知って実践を決意しました。」
実践のすすめ
- まずは週3回・10分から始める
- 動きを覚えたら、妊娠後期まで
少しずつバリエーションを増やす - 出産が近づいたら
呼吸法と分娩姿勢の練習を重点的に
出産はゴールではなく
新しい生活のスタートです。
安産体操を通じて整えた体と心は
産後の回復にもつながります。
今日から、赤ちゃんと自分のために
「動く習慣」をはじめましょう。
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