「赤ちゃんを抱っこしただけで、腰が抜けそうになった」——その瞬間、驚きませんでしたか
出産から1〜2か月。
ようやく退院して
赤ちゃんとの生活が始まったある日。
ちょっとかがんでおむつを替えただけで、腰がズキッ。
抱っこ紐をつけようと前かがみになったら
お腹に力が入らない。
鏡に映る自分のお腹は
なぜか産後なのにぽっこりしたまま。
くびれも、どこかへ行ってしまった。
「私、こんなに体力なかったっけ……?」
「妊娠前は平気だったのに
どうしてこんなに動けないんだろう」
そう感じて、戸惑っていませんか。

実はこれ、あなたが急に怠けたわけでも
年齢のせいでもありません。
妊娠・出産を経た体は
自分でも驚くほど筋力が落ちている
それが、産後の「動けなさ」と「体型の崩れ」の
いちばんの正体なのです。
今日は、多くのママが気づかないまま
産後を迎えてしまう「妊娠中の筋力低下」について
最新の医学データをもとに
この分野を見てきた立場から正直にお話しします。
読み終わるころには、「だから戻らなかったのか」と
きっと腑に落ちているはずです。
妊娠中、あなたの体では「3つの筋肉」が静かに弱っていた
妊娠中、静かに弱る3つの筋肉
① 腹筋(腹直筋)
妊娠後期はほぼ全員で左右に離開。ぽっこりお腹・くびれ消失の主因に。
② 骨盤底筋
子宮の重みと出産で弱化。尿もれ・下腹部の重だるさにつながる。
③ 全身の筋力
活動量の低下+リラキシンで、支える力が二重に低下する。
妊娠中はお腹が大きくなり、体重も増えます。
でも、増えているのは
赤ちゃんと脂肪だけではありません。
その裏側で、産後の体を支えるはずの大切な筋肉が
こっそり弱っているのです。
① お腹の筋肉が「ほぼ全員」ゆるむ——腹直筋離開
まず最も大きな変化が
お腹の『腹直筋離開(ふくちょくきんりかい)』です。

これは、おへその縦に走る左右の腹筋が
(いわゆるシックスパックの筋肉)
真ん中で左右に離れてしまう状態のこと。
数字で見る、お腹の筋肉のリアル
100%
妊娠後期に
腹直筋離開が見られた割合
約39%
産後6か月でも
離開が残っていた割合
約80%
「妊娠前より腹筋が
弱った」と感じた割合
※出典:PubMed掲載研究/産後女性460名対象調査
「自分は大丈夫」と思うかもしれません。
でも、データを見ると考えが変わるはずです。
あるPubMed掲載の研究では
妊娠35〜39週の時点では、実に100%の妊婦に
腹直筋離開が見られたと報告されています。
つまり、妊娠後期には
ほぼすべての妊婦のお腹の筋肉が
いったん左右に開いているのです。
しかも、それは出産すれば自然に元通り
というわけではありません。
同じ研究では、産後6か月の時点でも
約39%の女性に腹直筋離開が残っていたとされ
クリーブランド・クリニックも産後6か月で
45%の女性に離開が残っている
という研究結果を紹介しています。
そして見た目の問題だけではありません。
460人の産後女性を対象にした調査では
およそ80%の女性が「妊娠前より腹筋が弱くなった」
と感じていたと報告されています。
あの「お腹に力が入らない」感覚は
気のせいではなかったのです。
② 体の土台「骨盤底筋」が弱る
次に弱るのが、骨盤の底で
ハンモックのように内臓を支えている
『骨盤底筋(こつばんていきん)』です。

妊娠中は大きくなった子宮の重みが
ずっとこの筋肉にのしかかります。
さらに出産という大仕事を経て
骨盤底筋は大きなダメージを受けます。
研究では、妊娠と経腟分娩は骨盤底筋に影響を与え
産後1年間にわたって骨盤底筋が
弱い状態が続くことが示されています。

この筋肉が弱ると、くしゃみや笑った拍子の尿もれ
下腹部の重だるさ、ぽっこりお腹の原因になります。
「産後の尿もれは仕方ない」とよく言われますが
本来それは弱ったサインを放置している状態なのです。
③ 全身の筋力が「使わないこと」で落ちる——廃用性の低下
そして見落とされがちなのが
妊娠中の活動量の低下による
全身の筋力ダウンです。
妊娠後期になると、お腹が大きくなって
動きづらく、転びやすくもなります。
安静を指示される時期もあります。
その結果、どうしても運動量が落ちてしまう。
筋肉は「使わなければ衰える」性質があるため
この時期に全身の筋力がじわじわと低下していきます。

実際、横浜市立大学などが参加する
大規模調査「エコチル調査」でも
妊娠中の身体活動量が非常に少ないと
早産のリスクが増すことが指摘され
適度な身体活動の重要性が示されています。
とはいえ無理は禁物。
だからこそ多くのママは
活動量が落ちたまま出産を迎えることになります。
加えて、妊娠中はホルモンの影響も重なります。
クリーブランド・クリニックや
メイヨー・クリニックによれば
胎盤から分泌されるホルモン
リラキシンが骨盤まわりの靭帯をゆるめ
骨盤の連結が不安定になるとされています。
筋肉が弱り、骨盤がゆるむ
まさに「支える力」が二重に落ちている状態なのです。
放っておくと、「美容」と「健康」の両方が崩れていく
これら3つの筋力低下を
産後そのままにしておくとどうなるのでしょうか。
困ったことに、影響は
「見た目」と「体の不調」の両方に出てきます。
見た目(美容)の面では—
お腹の筋肉がゆるんだままだと、内臓を前から支えきれず
いわゆる「ぽっこりお腹」になります。

どんなに体重を落としても
くびれが戻らない・お腹だけ出ている
という状態の正体の多くが、この筋力低下です。
脂肪を落とすこととは、別の問題なのです。
健康(機能)の面では—
お腹と骨盤底の筋肉は、姿勢を保ち
腰を守る「天然のコルセット」です。
ここが弱ると、腰痛、尿もれ
ぽっこりお腹、姿勢の崩れ、肩こり……
と産後によくある不調が
連鎖的に起こりやすくなります。
「抱っこで腰が痛い」
「ずっと体が重い」
のは、根っこでつながっているのです。

つまり、妊娠中の筋力低下を放置することは…
「体型が戻らない」と「体の不調が続く」を
同時に抱え込むことを意味します。
いちばん大事なこと——「産後、勝手には戻りません」
ここで、あなたに知っておいてほしい現実があります。
弱った筋肉は、残念ながら
「時間がたてば勝手に元に戻る」
ものではありません。

腹直筋離開のデータでも、産後6か月で
4割前後の方に離開が残っていたことを思い出してください。
日常生活を送っているだけでは、ゆるんだお腹も
弱った骨盤底筋も、なかなか元の力には戻らないのです。
そしてもうひとつ。
骨盤矯正だけでも、実は足りません。
骨盤の位置を整えることはとても大切です。
けれど、それを支える筋肉が弱ったままでは
せっかく整えた骨盤もまた元に戻ろうとしてしまいます。
家でいえば、傾いた土台を直しても
柱(筋肉)が細いままでは家は安定しない
それと同じです。
だからこそ、産後の体には
「整える(骨盤矯正)」と「鍛え直す(筋トレ)」
の両方が必要なのです。

これは私たちが何より
大切にしている考え方でもあります。
焦らなくて大丈夫。正しい「順番」で立て直す
「じゃあ今すぐ腹筋運動を!」
いいえ、それは少し待ってください。
順番を間違えると
かえって逆効果になることがあります。

STEP1 まず「離開」と「骨盤底」の状態を確認する
腹直筋が大きく離れたままで腹筋運動をすると
離開が悪化することもあります。
まずは今の自分のお腹と骨盤底がどんな状態かを
正しくチェックすることがスタートです。
STEP2 深い呼吸とインナーから動かす
いきなり激しい運動ではなく
まずは深い呼吸とともに
お腹の奥(腹横筋)や骨盤底筋といった
『インナーマッスル』を目覚めさせることから。

実は妊娠中、多くの女性は呼吸が浅くなり
体幹の使い方が変わって
間違った場所に力を入れる癖が
ついているとされています。
この土台づくりが、すべての近道になります。
STEP3 段階的に筋力を取り戻す
土台が整ってから、徐々に
全身の筋力を取り戻していきます。
研究でも、産後の早い時期からの低負荷の運動が
骨盤帯の痛みの軽減や骨盤底筋力の改善に
つながることが示されています。
大切なのは、強さよりも
”正しく・段階的に”
これに尽きます。

専門家のサポートがあれば
この順番を一人で悩まずに進められます。
今のあなたの体に何が必要かを見極めて
最短ルートで立て直していけるのです。
「戻らない」のではなく、「戻し方を知らなかった」だけ
ここまで読んでくださったあなたに
もう一度お伝えします。
産後にお腹が戻らないのも
腰が痛いのも、体が重いのも
あなたがだらしないからでも
もう若くないからでもありません。
妊娠・出産を通して
あなたの体は赤ちゃんを育てるために
お腹の筋肉をゆるめ、骨盤を開き
たくさんのものを差し出してきました。
筋力が落ちているのは
その『頑張った証拠』なのです。

そして、弱った筋肉は
正しい順番でケアすれば
ちゃんと応えてくれます。
「戻らない」のではありません。
ただ、「戻し方を知らなかった」だけ。
それは、今日から変えられます。

「産後だから仕方ない」
よく言われる言葉ですが
私はそうは思いません。
戻らないのではなく
戻し方を知らなかっただけ。
ゆるんだお腹も、弱った骨盤底筋も
整えて鍛え直せばちゃんと応えてくれます。
「仕方ない」で終わらせたくないあなたへ。

ぜひ一度、産後ケア専門サロン
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