名古屋の産後専門整体院が、プラス料金のオプションをすすめない本当の理由
「ここに来る前の接骨院に行ったら
骨盤矯正だけじゃなくて
電気療法もすすめられて。
追加で料金(1回1,800円)がかかるって
言われたんですけど……
正直、必要ですか?」
—産後2ヶ月ママさんの初回体験の一言
産後のお体を早く戻したい。
それは、すべてのお母さんが
持つ自然な気持ちです。
でも、ひとつだけ正直に言わせてください。
産後の骨盤ケアに…
EMS・干渉波・楽トレは必要ありません。

整骨院やサロンで
「骨盤矯正のついでにいかがですか?」
とすすめられる電気系のオプション。
プラス料金を払ってでも
受けるべきか迷っているあなたへ。
名古屋・瑞穂区で産後ケア専門サロン
『Momの休日』を営む柔道整復師として
科学的なエビデンスとともに
専門家の立場から正直にお伝えします。
目次
- そもそも「産後の痛み」はなぜ起きるのか——メカニズムを知ると答えが見える
- EMS・干渉波・楽トレ——「3つの電気」はそれぞれ何のためのもの?
- エビデンスが示す「産後への電気刺激」の限界——5つのデータ
- 筋肉は「寝ているだけ」では育たない——アスリートとボディビルダーが知っていること
- それでも「おすすめ」される理由と、私が院長を辞めた話
- 産後の体に本当に必要なアプローチ
- 柔道整復師の視点:臨床で見えてきたこと
- まとめ
1. そもそも「産後の痛み」はなぜ起きるのか
電気療法が必要かどうかを判断する前に
まず産後の体に”何が起きているか”を
知る必要があります。

ここを知らないまま
「寝ていだけで、お腹が凹むのなら」
「筋が動いて何か効いている感じ」
で選ぶのは、診断なしに
薬を飲むようなものです。
■ リラキシンによる靭帯弛緩
妊娠中から分娩にかけて、体は”リラキシン”という
ホルモンを大量に分泌します。
このホルモンの役割は
骨盤の靭帯をゆるめて
赤ちゃんが産道を通りやすくすることです。
妊娠中、リラキシン・プロゲステロン
エストロゲンの上昇が
骨盤靭帯に構造的変化をもたらし
手首・指・膝・足首・恥骨結合・仙腸関節を含む
多くの関節に靭帯弛緩が生じます。

つまり産後の体は、靭帯がゆるんだまま
骨格を支えようとしている状態です。
「骨盤が開いる」だけではなく
「骨格を固定するシステム自体が変化している」
のが産後の本質です。
電気で筋肉を動かすことと、この根本への
アプローチは——まったく別の話です。
■ 産後の骨盤帯痛(PGP)はどれだけ多いのか
系統的レビューによれば
産後に骨盤帯痛(PGP)や腰痛を経験する女性は
全体の約25%にのぼります。

さらに深刻なのは長期化リスクです。
産後12年後の追跡調査では
対象女性の40.3%が程度の差こそあれ
何らかの骨盤帯の痛みを報告しており
産後の骨盤帯痛が必ずしも
自然に消えるものではないことが示されています。
4人に1人が産後に痛みを抱え
適切なケアを受けないままでいると
10年以上痛みが続く可能性がある
—これが産後ケアの現実です。
そしてこの根本は、靭帯弛緩による
骨格の不安定性と体幹協調性の低下であり
電気刺激で解決できる問題ではありません。
骨格不安定
2. EMS・干渉波・楽トレ——「3つの電気」はそれぞれ何のためのもの?
接骨院などの現場で
ひとくくりにされがちな3つですが___
原理も目的も対象もまったく異なります。
ここをあいまいにしたまま
”電気系のケア”として
提供されているケースが非常に多い。
専門家として、正確に整理します。
■ EMS(電気的筋肉刺激)——本来の用途は「神経損傷・術後リハビリ」
EMSは電気信号で筋肉を
強制的に収縮させる技術です。
脳→神経→筋肉という
通常の指令経路を飛び越えて
外から直接筋肉を動かします。
NMESの臨床的対象は、脳卒中による
片麻痺の筋力回復・運動制御の再教育
整形外科的な急性・慢性筋疾患、そして
重篤な疾患状態による筋萎縮の予防です。

つまりEMSは…
脳卒中後の片麻痺・術後の
廃用性筋萎縮・脊髄損傷などの神経損傷
という「自分では筋肉を動かせない人」のために
開発されたリハビリ医療機器です。
産後のお母さんは
自分で筋肉を動かせます。
適応が根本的に違います。
■ 干渉波療法(IFC)——本来の用途は「疼痛緩和・血流促進」
2種類の中周波電流を体内で交差させ
干渉点に鎮痛効果を生み出す電気療法です。
整骨院の腰痛・関節痛ケアでよく使われます。
干渉波療法は筋骨格系の疼痛緩和・血流促進
浮腫軽減などを目的に臨床で使用されていますが
各パラメータの効果の根拠は
十分に管理された研究よりも教科書や
臨床経験に基づくものが多いのが現状です。
干渉波は「痛みをやわらげる」ための道具であり
骨格を整える・靭帯を安定させる
体幹協調性を回復させる機能は持っていません。
■ 楽トレ(SIXPAD等)——医療機器ではなく、高価な家庭用EMSマシン
「楽トレ」は医療機器の名称ではなく
MTG社のSIXPADをはじめとした業務用・家庭用
EMSマシンの通称として定着した言葉です。

整骨院が「楽トレ導入院」として
集客するケースが増え
産後ケアとセットのメニューとして
提供されているのをよく目にします。
重要な事実として、SIXPADを含む
複数のEMSブランドに対して消費者庁は
「貼るだけで体型が変わる・脂肪が落ちる」
という表示を景品表示法違反と
認定し措置命令を出しており
脂肪燃焼・ダイエット効果については
科学的に明確な根拠が不足しています。
国内の規制当局が
「効果の根拠なし」と認定した機器を
産後の体型回復として
有料オプションで提供している___
この構造に、専門家として疑問を感じています。
| EMS | 干渉波(IFC) | 楽トレ(SIXPAD等) | |
|---|---|---|---|
| 原理 | 電気で筋肉を直接収縮 | 中周波電流の干渉 | EMSの民間応用 |
| 本来の対象 | 片麻痺・術後・神経損傷 | 疼痛・血流改善 | 一般消費者(家庭用) |
| 医療機器区分 | 一部医療機器 | 管理医療機器 | 一般機器(民間販売品) |
| 骨格アライメント改善 | ✕ | ✕ | ✕ |
| 靭帯安定性の回復 | ✕ | ✕ | ✕ |
| 体幹協調性の再教育 | ✕ | ✕ | ✕ |
3つに共通しているのは、産後の根本問題
骨格の不安定性・体幹協調性の低下
にアプローチできないという事実です。
3. エビデンスが示す「産後への電気刺激」の限界
全否定する以上
根拠が必要です。
信頼性の高い研究機関・規制当局の
データを5つ示します。
Evidence ❶ 消費者庁 措置命令+FDA見解——「ダイエット効果」は法的に否定された
楽トレ・SIXPADを含む複数のEMS製品が
消費者庁から景品表示法違反として
措置命令を受けています。
「装着するだけで痩せる・体型が変わる」
という広告表示が、科学的根拠のない
誇大広告と認定されました。
米国FDA(食品医薬品局)も同様に
EMSのカロリー燃焼効果は
限定的との見解を示しており
単体での体型改善効果を否定しています。
国内外の規制当局が揃って
「体型改善・脂肪燃焼効果は根拠なし」
と結論づけたものが
産後ケアのオプションメニューとして
今も存在している現実があります。
出典:消費者庁 景品表示法に基づく措置命令 / FDA(米国食品医薬品局)EMS機器に関する見解
Evidence ❷ UnitedHealthcare 臨床方針(2025)——NMESが「医学的に必要」とされる条件
米国最大規模の医療保険UnitedHealthcareは
NMESが保険適用される(医学的に必要とされる)
条件を臨床方針として明示しています。
NMESが医学的に必要と認められるのは
脳卒中後の上肢機能改善・人工膝関節置換術後の
リハビリ・下肢麻痺者の歩行補助
神経損傷によらない
廃用性筋萎縮の改善などに限定されます。
産後の健康な女性は
この条件のどれにも当てはまりません。
「産後の体型を戻したい」という目的は
NMESの医学的適応の枠外です。
出典:UnitedHealthcare. “Electrical Stimulation for the Treatment of Pain and Muscle Rehabilitation.” Clinical Policy, 2025.
Evidence ❸ Northwestern大学 二重盲検RCT(2021)——産後電気刺激群が「症状悪化」
ノースウェスタン大学(米国)が実施した
二重盲検ランダム化比較試験
(Brown et al., 2021)では
分娩時に肛門括約筋損傷を受けた産後女性を
電気刺激群とシャム群(偽治療群)に分け
13週間追跡しました。
電気刺激を受けたグループは
シャム群よりも13週後の
肛門失禁症状スコアが高く
(症状がより重い状態)
産後への電気刺激が骨盤底機能の回復に
必ずしも有益ではないことが示されました。
「産後に電気を当てれば回復が早まる」
という直感とは、真逆の結果です。
産後の繊細な組織状態に対して
電気刺激はむしろ逆効果になりうる___
これを最新のRCTが示しています。
出典:Brown et al. (2021). Female Pelvic Med Reconstr Surg, 27(11):659–666. PubMed PMID: 34608032
Evidence ❹ 欧州腰痛診療ガイドライン——干渉波は「プラセボと差なし」
慢性腰痛に関する欧州クリニカル
プラクティスガイドラインは
干渉波電流がシャム介入・プラセボと比較して
有効性を示すエビデンスはないと結論しています。
「電気を当てたら楽になった」
という体感は、プラセボ効果の可能性があります。
「楽になった感覚」と
「体が回復した事実」は、別物です。
産後の骨盤帯痛に干渉波を使うことは
根拠のある治療とは言えません。
出典:European Guidelines for the Management of Chronic Non-specific Low Back Pain. European Spine Journal (2006)
Evidence ❺ BMC Musculoskeletal Disorders 12年追跡研究——放置すると「40%が慢性化」
産後12年後の追跡調査では
対象女性の40.3%が程度の差こそあれ
何らかの骨盤帯の痛みを報告しており
産後の骨盤帯痛が自然回復しないケースが
相当数存在することが示されています。

この研究が示すのは電気療法の
無効性だけではありません。
正しいアプローチを
受けなかった場合のリスクです。
電気を当てて痛みを感覚的に誤魔化しながら
骨格の根本問題が放置されたまま
10年以上が経過する___
そのリスクを、このデータは示しています。
出典:Nilsson-Wikmar et al. (2017). BMC Musculoskeletal Disorders, 18(1):388.
📊 本記事で引用したエビデンス一覧
| # | 出典 | 結論 |
|---|---|---|
| ❶ | 消費者庁 / FDA | EMSの脂肪燃焼・体型改善効果の根拠なし |
| ❷ | UnitedHealthcare 臨床方針(2025) | NMESの適応は片麻痺・術後・神経損傷に限定 |
| ❸ | Brown et al. 2021 Northwestern大学 RCT | 産後電気刺激群がシャム群より症状悪化 |
| ❹ | 欧州慢性腰痛診療ガイドライン(2006) | 干渉波はプラセボと有効性の差なし |
| ❺ | BMC Musculoskeletal Disorders 2017 12年追跡 | 産後骨盤帯痛の40%超が12年後も持続 |
4. 筋肉は「寝ているだけ」では育たない——アスリートとボディビルダーが知っていること
ここで、少し視点を変えて考えてみてください。
世界のトップアスリートは
筋力をつけるためにEMSや
電気療法を使っているでしょうか?
答えは、ノーです。
100mを9秒台で走る短距離選手も
オリンピックで戦う格闘技選手も
ステージに上がるボディビルダーも
全員、自分の意思で体を
動かすことで筋肉をつけています。

バーベルを上げ、地面を蹴り
自分の神経と筋肉を意図的に繋いで
何千回・何万回と反復する。
それ以外の方法は存在しません。
ボディビルダーが徹底しているのは
バランスのとれた食事と
正しい動作の反復です。
何も目新しいことはない。
特別な機器でも、魔法のような技術でもなく
それが答えのすべてです。
筋肉が育つメカニズムはシンプルです。
筋肉は、自分の意思で動かしたときにしか
本当の意味で強くなりません。

電気で外から動かされた筋肉は
脳と筋肉の繋がり、神経筋の連絡を鍛えません。
機械が動かしているのは
「筋肉という物体」であって
「あなたの動き」ではないのです。
寝ているだけで筋力がつくなら
アスリートは誰も練習しません。
産後の体も、まったく同じことです。

「機械に動かしてもらう」ことと
「自分の体を自分で動かせるようになる」ことは
根本的に異なります。
電気系オプションに頼ることは
産後回復の本質から
目を逸らさせてしまう可能性があります。
5. それでも「おすすめ」される理由と、私が院長を辞めた話
少し、個人的な話をさせてください。
私はかつて、接骨院の院長をしていました。
産後のお母さんが来るたびに
骨盤矯正のあとに電気系のオプションをすすめる。
施術メニューとしてそれが
「当たり前」の院でした。
でも、私にはずっと違和感がありました。

EMSや楽トレが、片麻痺や術後リハビリのために
開発されたものであることは知っていました。
干渉波が痛みをやわらげるものであって
骨格を整えるものではないことも
専門家として当然わかっていました。
楽トレが医療機器ですらなく
高価な家庭向けマシンであることも。
それでも
「売上になる」
「患者さんが喜んでくれる」
「他院もやっている」
そういう理由で続けていた時期がありました。
嫌で、嫌で、仕方がありませんでした。
産後の体のことを真剣に
考えて来てくれているお母さんに
根拠のないオプションをプラス料金で提供する。
その構造が、どうしても
受け入れられなかった。
電気系オプションがすすめられる理由は
医学的根拠ではなくビジネス上の理由です。
機器の導入コストを回収するために
オプションとして販売し続ける必要がある。
「骨盤矯正+電気セット」
として単価を上げることで
経営が成立する構造がある。
おすすめする側に悪意があるとは限りません。
でも、その根拠を問われたとき
科学的なデータで答えられる
施術者はほとんどいないのが現実です。
それが、院長職を辞めた理由のひとつです。
名古屋・瑞穂区で『Momの休日』を
立ち上げたのは、そこからです。

「必要のないものは売らない」
それが、私の産後ケアに対する答えです。
6. 産後の体に本当に必要なアプローチ
電気で筋肉を動かす前に、整えるべき順序があります。
骨格アライメントの修正
靭帯弛緩によってずれた骨盤・仙腸関節・恥骨結合の位置関係を、徒手療法で整えます。「土台」が正しい位置に戻ってはじめて、筋肉が正しい方向に機能できます。
呼吸パターンの再教育
横隔膜・腹横筋・骨盤底筋・多裂筋からなる「インナーユニット」は呼吸と連動しています。機械で筋肉を動かす前に、自分の呼吸で体幹を整える再学習が必要です。
日常動作の再学習
抱っこ・授乳・立ち上がり。毎日繰り返す動作のなかで体幹が正しく使えるようになること——これが本当の「産後の体力回復」です。アスリートが自分で動いて筋肉をつけるように、産後のお母さんも自分で動ける体を取り戻すことがゴールです。
物理療法(あくまで補助として)
疼痛が強い場合や血流改善が必要な場面では、干渉波等を補助的に使うことを完全否定はしません。ただしあくまでも「補助」。1〜3の土台なしに電気を当てても、根本は変わりません。
7. 柔道整復師の視点:臨床で見えてきたこと
Bさん・34歳・産後5ヶ月
産後3ヶ月から別院で
『骨盤矯正+楽トレ』を週2回・3ヶ月継続。
腰痛はやや楽なったけど
膝の痛みや尿もれはあまり改善できず
産前のボトムスも入らないまま
名古屋・瑞穂区の当サロンに来院されました。
実際に診ると—胸椎可動性低下
腹直筋離開(約1.5横指)、胸式優位の呼吸パターン
腰椎過前弯による多裂筋の過緊張(反り腰)
殿筋群の筋力低下
下肢の筋の協調性低下
楽トレで表層の腹直筋を動かし続けても
これらの根本問題には一切アプローチできていませんでした。
骨盤矯正と下肢の筋力アップ
使い方の再教育を中心とした施術4回目あたりで
腰痛や膝痛が大幅に改善し
体型にも変化が出始めました。
「今まで通っていた時間はなんだったの」
という言葉が印象的でした。
8. まとめ
産後の体に必要なのは
「楽をすること」ではなく
【正しく整えること】です。

EMS・干渉波・楽トレは
それぞれの本来の目的においては価値のある技術です。
でも産後の骨格回復・体幹協調性の再教育
靭帯安定性の回復という観点では
科学的根拠に基づいた有効な手段ではありません。
世界のアスリートは電気療法で筋力をつけない。
ボディビルダーは食事と
正しいトレーニングの反復にこだわる。
何も目新しいことはない
産後のお母さんにとっても
本質はまったく同じです。
規制当局のデータが示し、国際的な臨床研究が示し
欧州の診療ガイドラインが示す
それが答えです。
プラス料金のオプションを断ることは
あなたの体の回復を諦めることではありません。
むしろ、本質を見極めた正しい選択です。
名古屋・瑞穂区のMomの休日では
電気系オプションを一切設けていません。

それは、産後のお体に必要なものを
正直に見極めた結果です。
「骨盤矯正と家でできる簡単な筋トレだけで
三日坊主の私でもジーンズが
履けるようになって本当に嬉しかったです。」
—Cさん(30代・産後6ヶ月・8回コースケア卒業後)
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