「痛くなかったから、体も無事だと思っていました」——その油断が、後の不調を招くことも
無痛分娩を選んで、出産を終えたあなたへ。
陣痛の痛みを和らげながら
赤ちゃんを迎えることができた。
それは素晴らしい選択でした。
でも、産後しばらくして
こんなことを感じていませんか。
なぜか腰が重い。
お腹がぽっこりしたまま戻らない。
くしゃみで尿がもれる。
「無痛分娩で、そんな痛くもなかったのに…どうして?」
そう、不思議に思っているなら
今日の話は、あなたにこそ読んでほしい内容です。
先に、いちばん大切なことをお伝えします。
骨盤や骨盤底が受けるダメージは
「痛みを感じたかどうか」では決まりません。
麻酔で消せるのは”痛みの感覚”であって
“骨盤への物理的な負荷”そのものは
消えていないのです。

無痛分娩は、痛みをやわらげる素晴らしい選択肢です。
けれど「痛くなかった=体は無事」
という思い込みだけは、手放してほしい。
その油断が、産後ケアを後回しにさせ
不調や体型の崩れを長引かせてしまうことがあるからです。
20年この分野を見てきた立場から
できるだけ正直に、医学データをもとにお話しします。
いま、無痛分娩は急増している。だからこそ知ってほしい
まず、無痛分娩がどれだけ
身近になっているかをお伝えします。
日本産科麻酔学会によれば
全分娩に占める無痛分娩の割合は
2018年の5.2%から2024年には13.8%へと
6年間で約2.7倍に増加しています。
ここ東海地方でも、無痛分娩の件数は
この5年で年間約3,500件から約7,500件へと
ほぼ倍増しました。

名古屋・瑞穂区周辺でも
無痛分娩で出産されたママは年々増えています。
それだけ選択肢として定着してきた今だからこそ
「無痛だったから大丈夫」という誤解が広がる前に
本当のところを知っておいてほしいのです。
大前提:ダメージは「分娩のとき」だけに起きるのではない
麻酔で消せるもの・消せないもの
○ 麻酔で和らぐ
- 陣痛・分娩時の「痛みの感覚」
- 出産への恐怖や緊張
- 体力の消耗(軽減される場合も)
× 麻酔では消えない
- リラキシンによる骨盤のゆるみ
- 産道を通る際の骨盤底への負荷
- 筋肉・靭帯・神経への物理的ダメージ
※「痛くなかった」と「ダメージがない」は、別の問題です
多くの方が、「出産の瞬間」に
体がダメージを受けると思っています。
でも実は、骨盤への負担は
妊娠中の10か月をかけて
すでに静かに進行しているのです。
そしてこれは、無痛だろうと
自然分娩だろうと、関係なく起こります。
① 妊娠中、ホルモンが骨盤をゆるめている
妊娠すると、体は出産に備えて
骨盤まわりをゆるめ始めます。
その主役が“リラキシン”というホルモンです。
クリーブランド・クリニックや
メイヨー・クリニックによれば
胎盤から分泌されるリラキシンが
骨盤の靭帯をやわらかくし
骨盤の連結部分がゆるんで
不安定になるとされています。

さらに、大きくなった子宮の重みが
骨盤の底(骨盤底筋)に何か月もかかり続けます。
★妊娠中の筋力低下(前回)のHTML挿入
つまり、出産する前から、あなたの骨盤は
「開いて・ゆるんで・支える力が落ちた」
状態になっている。
これは麻酔とは何の関係もなく
妊娠そのものが引き起こす変化です。
② 経腟分娩というプロセスが、骨盤底に大きな負荷をかける
そして出産。
無痛分娩も帝王切開でない限りは“経腟分娩”
つまり赤ちゃんが産道を通って生まれてくる出産です。
ここがとても重要なポイントです。
数字で見る、無痛分娩と骨盤のリアル
2.7倍
無痛分娩の割合
(6年で5.2%→13.8%)
最大19%
経腟分娩で骨盤底の
筋肉が損傷する割合
約2倍
東海地方の無痛分娩
件数(この5年)
※出典:日本産科麻酔学会/専門誌掲載研究/日本産婦人科医会
赤ちゃんが狭い産道を通るとき
骨盤底の筋肉・靭帯・神経は
強く圧迫され、引き伸ばされます。

医学文献では、骨盤底機能障害の主な原因は
経腟分娩のときに起こる
骨盤底の神経・筋肉・結合組織への
圧迫・伸展・断裂といった損傷であると
はっきり述べられています。
その損傷は、見た目にはわかりません。
専門誌の報告によれば、骨盤底の主要な
筋肉である肛門挙筋(こうもんきょきん)は
経腟分娩において
最大19%の女性で大きく損傷し
これは将来の骨盤底障害の
主要な原因になるとされています。
ここで考えてみてください。
この「赤ちゃんが産道を通る」という
物理的なプロセスは、痛みを麻酔で抑えていても
まったく同じように起こります。
痛みを感じていないだけで
骨盤底にかかる力は変わらないのです。
なぜ「無痛=大丈夫」と誤解してしまうのか
そもそも痛みとは、体が
「ここに負担がかかっているよ」
と教えてくれる危険信号です。

無痛分娩は、その信号を麻酔で和らげる方法。
だからこそ
「痛くなかった=負担も少なかった」
と感じてしまうのは、ある意味で自然なことなのです。
でも実際には、信号を消しているだけで
負担そのものは存在しています。
むしろ、ここに落とし穴があります。
痛みをはっきり感じた方は
「体が大変なことになった」と自覚し
産後ケアに前向きになりやすい。
一方で、無痛分娩で痛みが少なかった方ほど
「私は大丈夫だったから」
とケアを後回しにしてしまいがちなのです。

ダメージは同じなのに
ケアへの意識だけが下がってしまう
これが、いちばん避けたい状況です。
「帝王切開なら骨盤は無事」も、実は言い切れない
「じゃあ帝王切開ならダメージはないの?」
と思うかもしれません。
たしかに、産道を通らないぶん
骨盤底への直接的な負担は減ります。

ただ、これも完全ではありません。
研究では、帝王切開は骨盤底障害のリスクを減らすものの
骨盤底障害の原因は多くの要因が重なって起こるため
帝王切開でもリスクを
完全になくせるわけではないとされています。
なぜなら、先ほどお話しした
「妊娠中の10か月の負荷」は
出産方法に関係なくかかっているからです。
つまり、出産の方法が何であれ
妊娠・出産を経た骨盤は
必ず何らかのダメージを受けている。
これが、ごまかしようのない事実なのです。
放っておくと、「見た目」と「不調」の両方に出てくる
ゆるんで・ダメージを受けた骨盤と骨盤底を
産後そのままにしておくと、影響は2つの形で表れます。
見た目(美容)の面では—
骨盤が開いたまま、骨盤底がゆるんだままだと
内臓を支えきれず、下腹部がぽっこり前に出ます。

体重が戻っても
「お腹だけ出ている」
「くびれが戻らない」
と感じる方の多くが、この状態です。
★産前デニム記事のHTML挿入
健康(機能)の面では—
骨盤と骨盤底は、姿勢を支え、腰を守り
尿もれを防ぐ“体の土台”です。
ここが崩れると、腰痛、尿もれ
お尻まわりの痛み、姿勢の崩れといった
産後によくある不調が連鎖的に起こりやすくなります。
無痛分娩で「痛くなかった」としても
これらの不調が後から出てくるのは
決して珍しいことではありません。
だからこそ、産後の骨盤ケアは「整える+鍛え直す」
では、どうすればいいのか。

ゆるんだ骨盤は
「時間がたてば勝手に元通り」
とはいきません。
そして、骨盤の位置を整える
(矯正する)だけでも足りません。
なぜなら、それを支える骨盤底筋や
お腹のインナーマッスルが弱ったままでは
せっかく整えた骨盤も
また元に戻ろうとしてしまうからです。
大切なのは…
「整える(骨盤を正しい位置へ)」
「鍛え直す(支える筋肉を取り戻す)」
の両方を、正しい順番で行うこと。
これが、体型も不調も同時に立て直していく
いちばんの近道です。

無痛分娩を選んだあなたが
何かを間違えたわけではありません。
ただ「痛みがなかったぶん、気づきにくかった」だけ。
今からでも、十分に間に合います。
痛みは麻酔で消せても、負荷はゼロにならない。だから、確かめることから
最後に、もう一度だけ。
骨盤底の損傷は、経腟分娩の最大19%に起きる
でも裏を返せば、見えないダメージも
産後にきちんと向き合えば立て直せるということです。
数字は、運ではなく
「気づいて、行動したかどうか」
で変わっていきます。

無痛分娩で痛みが少なかったあなたこそ
いちばん見落としやすい立場にいます。
だからこそ、「痛くなかったから大丈夫」で終わらせず
今のあなたの骨盤がどんな状態かを
一度ちゃんと確かめてほしいのです。
名古屋市|瑞穂区の
産後ケア専門サロン「Momの休日」では
出産を終えたママの骨盤と骨盤底を整えるだけでなく
支える筋肉から一緒に立て直しています。

子育て経験のない私だからこそ
思い込みや決めつけなしに
あなたの体と数字だけを見て向き合えると思っています。
まずは、今の状態を知ることから始めませんか。
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